隅田川自治β ダイヤローグ
トッピングイーストが企画・運営を担当し、2021年の春と夏に実施した『隅田川怒涛』。いずれも緊急事態宣言下での開催となりましたが、パンデミックの最中でも手を止めることなくアーティストとスタッフが日々試行錯誤を重ね、現場を形にすることができました。一方で、隅田川流域の地域リサーチや事前リハーサルなどのプロセスを通じて、関わる人々のコロナ禍の苦悩を実感する場面に数多く遭遇しました。
このような状況の中で、表現は、芸術は、この災厄を乗り越えるためにとても大事な役割を担うのではないか。そんな、漠然とはしているものの確信を持った想いを携えて、多分野で活躍する17名の方々との対話を収めたのが、この「隅田川自治β」ダイアローグです。
「自治」とは「自分のこと或いは自分たちのことを自身で処理し治めること」とあります。移動が制限される中で気づいた、身近なものの大切さ。社会的距離を保たなければならない、表現することが抑制される状況の中で、どう個人の小さな意志を絶やさせないようにできるのか。離れ離れになってしまった荒野で、小さくてもまた自分たちのことを始めていこうとする姿勢が広がって、やがて大きな表現となり次代のうねりを生み出していくことを願っています。
ダイヤローグ
テーマ毎のレポートをご覧いただけます。
「雨、それは生命を育む水循環の源」
村瀬 誠(あまみず博士)
「働くことの意味を再獲得すること、その先にある民主主義への実感」
今井 紀明(認定NPO法人D×P(ディーピー )理事長)
西村 佳哲(『自分の仕事をつくる』著者)
「移民問題、それは人間同士の共生を考えること」
コムアイ(アーティスト)
望月 優大(ライター)
「子どもの選択肢を広げ、自身で選び取る環境を」
会田 大也(山口情報芸術センター(YCAM)アーティスティック・ディレクター)
臼井 隆志(アートエデュケーター)
「文化・芸術は、地域のあらゆる領域とつながる触媒となる」
野村 政之(演劇制作者/長野県文化振興コーディネーター)
森山 幸治(岡山市議会議員)
山出 淳也(NPO法人 BEPPU PROJECT代表理事/アーティスト)
「アクセシビリティは、後付けではなく前提条件から問い直す」
市川 浩明(認定NPO法人ことばの道案内 代表理事)
山上 庄子(パラブラ株式会社 代表取締役)
「過去と未来、現在が巡る装置としての盆踊り」
岸野 雄一(音楽家・スタディスト)
弓指 寛治(美術家)
松本 紹圭(現代仏教僧)
「即興音楽の参加性と自治の関係、そして、音楽産業の再構築」
細田 成嗣(ライター・音楽批評家)
若林 恵(黒鳥社 コンテンツディレクター)
取材:清宮陵一、小出有華(NPO法人トッピングイースト)、編集:江口晋太朗(TOKYObeta.Ltd)
カバー写真:©︎三田村亮
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本事業は一般財団法人 YS市庭コミュニティー財団による助成を受けて実施しています。